モン・ペラの新作を利く

さてこの会の主役はもちろん「モン・ペラ」、そして世界初リリースと
いうモン・ペラのナゾの新作でした。
「モン・ペラ」は『神の雫』では01年を紹介して火がつきましたが、
この日飲んだのは、02年ビンテージ。
亜樹はかなり以前に00、02年ともに飲んでいますが、00から02までの
3ビンテージの中では、01が圧倒的に旨いと結論づけていました。
しかし、この日でてきた02年は違います。
航空便ではこんできたため「色あせ」していなかったのか、はたまた
眠りから醒めてベストの状態だったためなのか、
フレッシュな果実味たっぷりの味わいで、
01年よりいくぶん柔らかく感じて、メッチャうまかった!
「ううむ、やはりモン・ペラはすごい」と唸りました。

そして噂のモン・ペラの新作は、その名も「レザマン・ デュ・ モンペラ」
前述のように、世界に先駆けて日本で正式にリリースされました。

ちなみに、なぜ日本が一番乗りなのか?それは恐らく『神の雫』効果で
モン・ペラがバカ売れしたため、日本は彼らにとって非常に
重要なマーケットになったから、だと思われます。
そう考えてみると……ちょっとスゴイですよね?

↓レザマン・デュ・モンペラ



このワインはモン・ペラの畑のなかの「青い粘土」(なぜ青いかは不明。
別に特別な成分があるわけじゃないらしい)の一角で採れるメルロから
造られたワインで、いってみればスーパー・プレミアム・モンペラってところでしょうか。
利いてみると……ん〜っ、果実の凝縮感がすごい!
モン・ペラも果実味爆発のワインではありますが、さらに濃くなって
マイルドになった感じがします。まるで黒い果実のエキスのような……。



ただ、従来の赤ワインの設計とはかなりかけ離れた印象もあります。
いわゆる「コク辛口」ボルドーは、時間をかけて開かせたり、なだめ
すかしたりしながら、「ワインと格闘しながら旨さをひきだす」ような面がある。
しかしこのワインは、なんというか予め幸福が約束されたワインなんです。
それがすべての人にとってグレイトなのかどうかは、わかりません。
ワインのもつ、ある種の気難しさ、変化の面白さを楽しみたい向きには
物足りないかもしれない。女も、素直にいうことをききすぎる従順なタイプ
よりは、ワガママでちょっとプライドが高いけど、口説き甲斐のあるほうが
楽しい、という御仁もいますし……。


ただ、このワイン、飲んで旨いことは、確かです。


神の雫(1) (モーニング KC)

神の雫(1) (モーニング KC)