千円台ボルドー試飲


2、3日前、88モンローズを開けるぞ!な〜んていってたくせに、すいません。
気がついたら深夜で、今からひとりで飲むとなるとモンローズはちょいと
もったいない……とセコイ気分になり、「近々飲もう」とセラーに立てておいた
1800円ワインを開けることにしました。

このワイン、「シャトー・フレイノー」(1800円・格付けはボルドー
スペリュール・00年)は、飲み仲間の某ワイン狂が、
「うまいっす。千円台とは思えないっすよ
と、強く推していたものです。モーニング誌上でも、折しも伊仏千円対決
をやっていたときだったので、ちょっと気になって購入しておいたのです。


もちろん、取材のために千円台ワインをそれこそ片っ端からネットで注文し
スタッフとともに毎日のように開けまくっていた亜樹、モーニング誌上で
フランス千円台のベスト・ワインとして紹介した「サン・コム」は、間違いなく
トップレベルであると自信を持っております。しかし、千円台のワインは
ワイン王国フランスにそれこそ星の数ほどあり、到底、いち日本人に
飲み尽くすことは不可能です……。飲み比べてみると、ひょっとしたら
サン・コムよりもフレイノーに軍配が上がるなんてことも……?

さて、この1800円ワインのポテンシャルやいかに。
ちなみに、ネットのショップでは、ほとんど売り切れていて、マイナーながら
人気がありそうな
感じです。


抜栓してまず一口。
むむっ、渋いです。そして強力な酸味。すべてのパーツがツンツン
とがっていますが、パワフルな感じはありますね。
でも、ともかく30分は置くしかない。尖りすぎています。
またもや「待ち」です。
(まったく、これだから気の短い人にワインは向かないんですよね〜)


……で、30分後。
余分なタンニンはかなりひっこみました。
そして、熟成したワイン独特の、セクシーな獣臭がしてきました。
たった5年熟成のワインなのに、すでに熟女の味わいです。
このあたりが、等級ワインと、級なしワインの違いかもしれない
ですね。一級ワインだと、まだまだ00年は幼児殺しですからねえ。
このワインはボディはしっかりしていますが、熟成はかなり早そうで
2、3年にはピークがきそうです。



マンゴーのような南洋系果物の甘くからみつくアロマ。これは楽しめる。
カベルネの特徴であるカシスの香りはあまりない。メルローのまろやかさ
が全面にでているようです。
飲んでみてちょっと気になるのは、樽香。いささか樽が主張しすぎている
ような気がしました。(でもこれは、好みの世界なので、いちがいに否定できない
のですが……ね)。
それと、酸がきつすぎるのもひっかかる
酸がうるさすぎて、全体のバランスが崩れてしまっている。
たしかに、1800円という値段を考えると悪くはないのですが、
おなじ千円台なら、亜樹はやはりサン・コムを買うかも……。


しかし、ワイン選びって難しいなあ
高いお金を出せばおいしいワインが必ず飲めるというわけでもなく、
安いからマズイわけでもない。おいしいワインにたどりつく近道はなく、
結局は「一期一会」を大切に、
ひとつひとつのワインの味わいと香りを脳裏に刻みつけていくしか
ないのかもしれませんね。

神の雫(3) (モーニング KC)

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