「ジロラット 01」を利く
このワインとの最初の出会いは、去年の秋ごろだったと思います。
モン・ペラを造っているディスパーニュ家のワインだというので、
興味を持って買ってみたのです。ジロラットという名はかなり
マイナーで、01年がファースト・ビンテージだと聞きました。
「モン・ペラに近い味なのかしらん?」と思ってさっそく
ちょっと空けてみたら、かなり違うテイストでした。
非常に凝縮感、深みがあって、
エキスのような濃厚なワイン。
しかし、濃厚でありながら、エレガントな滑らかさもあり……。
非常によくできた味わいで、7000円という値段も
高くないと感じたものです。
先日この欄で紹介したテスタ・マッタの製法もユニークですが
このジロラットも、かなり風変わりな方法で造られています。
まずブドウを直接、新樽の中に落としこんで、その樽を回しながら発酵・
マセラシオンを行なうんだそうです。アルコール発酵から瓶詰めまでは
全て同じ樽を使うのだとか。
それもビックリですが、もっと驚くのが収穫量。なんと1本の苗木から
収穫する葡萄を2〜3房までに絞り込むそうです。
それって、まるでイタリアのクレージー・ワイン
ミアーニみたいじゃありませんか!!
ミアーニは3万円近くもする高級ワインだけど、
これは七千円……。その値段で、採算があうのか?
なんでも、ディスパーニュさんは「このワインはあまりにも
コストがかかりすぎるので、もしかしたら造らなくなっちゃう
かも」とおっしゃっているそう。
造らなくなっちゃうともう飲めないので、亜樹はそれから数本
このジロラットを買い置きしました。
ということで、1年近くセラーに寝かせておいたジロラットを、ふとまた飲んで
みたくなり、この週末に空けてみたんです。
衝撃的な味は変わらず。しかし、去年はちょっと果実のざくざくした
カンジがあったのですが、それらがうまく溶け合って、ぐっと
丸みが増して旨くなったように思えました。
いやー、いいですね。このワイン。
「もう造らないかも」というお言葉通り、2002年ビンテージはついぞ
みかけたことがありません。どこかで買った人はいますか?
いたら、教えてください。
亜樹も、ぜひこのワインの02年を買って利いてみたいです。
もし、もう造るのをやめていたら・・・。
ジロラットは文字通り、幻のワインとなってしまうんでしょうか。
そうならないことを、祈りたいですね。
- 作者: オキモト・シュウ,亜樹直
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/08/23
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