DRC「赤アソート」2002年・一気試飲!
こんなチャンスはめったに巡ってくるものではありません。
てか、初めてです。
「神の雫」でさまざまな取材にご協力いただいている、大手ワイン
スクールの「アカデミー・デュ・ヴァン」の講師である斎藤さんから
「2002年のDRCの赤アソートの試飲、しますか」
というメールをいただいたのは、2週間ほど前のことでした。
ちなみに、DRC赤アソートとは、ブルゴーニュを代表する──いや、
世界のワインの頂点に輝くといってもいいすぎではないドメーヌ
・ド・ロマネコンティが造る、宝石のような
ピノ・ノワールの特級ワインたちのことです。
トップ・キュベの「ロマネ・コンティ」、ロマネ・コンティの
「腕白な弟」といわれる「ラ・ターシュ」、
『神の雫』1巻でも登場、百の花の香りを集めたと賞される「リシュブール」、
「ロマネ・サンヴィヴァン」「グラン・エシェゾー」そして「エシェゾー」。
(ちなみに本来、アソートといえば
これに白の最高峰「モンラッシェ」が加わりますが、今回はそれは
除外だそうで、ようするに【赤のアソート】ですね)。
赤ワイン6つの特級のうち、ロマネ・コンティとラ・ターシュは
いわずとしれたDRCの「単独畑」です。
それにしても世界のワインマニアの「夢」であり、揃えれば
100万円以上するDRCアソートを「「毎年、試飲しています」という斎藤氏は、
ただ者ではありません。ワインの
知識、感覚、造詣の深さもハンパじゃないです……ハイ。
まっ、斎藤氏の凄さを語りだすと、このブログ3日分くらいになって
先へ進みませんので、ここはひとつ、DRC 2002年赤アソートの
話に絞ろうと思います。
ちなみに、マニアなら垂涎のDRCアソートですが「2002年はどうなのかな?」
と、亜樹はかねてより疑問に思っておりました。というのも、
ピノ・ワインには評価が厳しいけれど、DRCだけは例外的に
大好きなR・パーカーさんが
「2002年DRCはよくない!」と、ほうぼうで語っているからなんです。
それって、ほんとなのかな……。
だって、あのブルゴーニュ受難の年の2000年でさえ、DRCの出来ばえは決して悪くはありませんでした。
それなのに、ブルゴーニュ地方が稀にみる葡萄の出来ばえに沸いた2002年で、
天下のDRCのワインが「イマイチ」だなんて……、そんなことってあるんでしょうか。
自ら確かめてみるべく、2002年アソートのうちの何本かは入手し、近々試飲してみよう
と思っていましたが、そんな折、斎藤氏からの有り難いお声がけがあったわけです。
──某日午後6時半、アカデミー・デュ・ヴァンを訪ねてみると、斎藤氏はすでに
赤アソートをずらっとならべて、「澱」と「澱以外の部分」とにワインを分別しながら、
亜樹の到着をまっていてくださいました。
じつは亜樹、DRCのワインを飲むときは、いやしくも「澱も残さず」最後の一滴
までガッツリと飲んでおりましたが、
「ん〜〜〜それはやめたほうがいいですね。
気持ちはわかりますが我慢してください。
というのはDRCは究極のビオ(自然派)ワインで、澱引きもしないしそのまんまの
造りなので、澱が多いんですよ。
でも澱って、おいしくないんです。どうぞ、澱ワインの試飲を」。
勧められて、澱だけ集めたグラスを飲むと……たしかにマズイ!
酒のカスというか、なにやらブヨブヨした味で、ワインとは別物の味です。
「ネ? ですからDRCをはじめ自然派ワインは、やっぱりデキャンタして
澱をわけてから飲んだほうが絶対おいしいです」(斎藤氏)
なるほどねぇ〜と感心する亜樹。
澱だけ集めて飲んだのはさすがに初めてで、
しかもDRCの澱の多さには改めてビックリでした。ほんとに凄い
です。「もっこり」とした量なんです。
DRCを「奥の院」まで知りつくしている斎藤氏、「さあ、ではいよいよ
試飲です。こちらにいらしてください」と、02年赤アソート(澱以外)
を注いだ6つのテイスティング・グラスを別室に運んでくれます。
ごくり……。
斎藤氏の瞳が、わけありっぽく、怪しく光り、亜樹は
なんだかちょっとドキドキしてきました。
さあ2002年DRC赤アソート、ブルゴーニュ最高の年に造られながらも
「天下の凡作」と囁かれるこれらのワインたち。そこには、
いったいなにが隠されているんでしょうか?
……以下次号。
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