追悼・ドニ・モルテ


ずう〜〜っと更新をさぼってました……正月の反省が生きてません。
じつは1月末に大風邪をひき、あんなことやこんなことが
ぜ〜んぶ滞っていて、ついつい……。いや、いいわけは見苦しいですね。
ゴメンナサイ。

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さてっ、それはそうと、去る1月30日……ワインファンにとって衝撃的な出来事がありました。
なんと、ブルゴーニュのスター生産者、ドニ・モルテ氏が逝去されたのです。
享年、50歳だったそうです。



最初にこのニュースを聞いた時は「エッ、ドニさんてまだ若いはずでは」と
違和感をいだきましたが、続報を聞いたところ、醸造所の駐車場で
あろうことか拳銃自殺をされたとか・・・。
まだ真相がはっきりしたわけではないようですが、それにしても・・。
ワイン造りに悩んでのことなのでしょうか。
いやもっと深い、外からは窺い知れぬ何かが彼を苦しめていたんでしょうか。
ドニ・モルテ氏のワイン、じつは最近飲んでいなくって、去年の秋ごろに
ジュヴレイ・シャンベルタンのアン・デレVV(村名畑つき)の2000年
飲んだのが、たしか、最後です。

彼のワインは、果実味を全面に打ち出していくいわゆるモダンな
スタイル
ですが、亜樹はわりと好きな生産者のひとりで、
どんなレベルのワインを飲んでも「おいしいな」と思わせて
くれるのが凄い、と思っておりました。ただ、価格が相対的に高すぎる
のがひっかかり、亜樹のワイン倉庫における
異様な数のコレクションのなかにも、実をいうと、ドニ氏のワインは
それほど多くありません


この2000年村名畑つきも、端麗な作りではありましたが、
正直いって、あまりパワーのないワインでした。
もちろん、さすがドニ・モルテで、最初の1時間くらいは華やかな
香りと甘い果実味を堪能させてくれるんですが、それ以降、なぜか急速に
すっぽ抜けてしまったのですね。
イメージでいうと、そう、まるで線香花火のようなか細い美しさでした
最初の一瞬だけ小さな花のように美しく開いてみせ、あっというまに
生命力を失うというのか・・・。もちろん、2000年はブルゴーニュ
受難の年といってもいい貧相なビンテージではありましたが・・。



2000年のワインの儚げな味わいを思い出しつつ、
マジメで繊細、なにごとも徹底追及タイプだったといわれるドニ氏は、
モノ造りの迷宮に嵌まってしまったのかもしれないなぁ、と
勝手な思いを巡らせます。
もしかすると「天上のワイン」を追い求めるあまり、息苦しくなってしまった
のかも……。

いやいや、勝手な想像はやめましょう。いまはただ、冥福を祈るばかりです
ブルゴーニュの星の死によって、彼の名前のワインがこれ以上値上がり
しないことを祈りつつ・・・・。

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神の雫(5) (モーニング KC)

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神の雫(4) (モーニング KC)

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