ジロラットのこと

いやー、更新を長いことサボってました。アンテナ張っていただいてる方には
申し訳ないっす。ちょっと、いろいろと公私ともにバタバタしていまして……、
ほんとに久々の更新だなあ。
いや、7日以上あけちゃいけないですね。反省しますです

さて、きょうの話題はモン・ペラの蔵元ディスパーニュさんからの
メールです。
この欄で、以前紹介した「ジロラット01年」ですが、
亜樹がコストがかかりすぎるらしいので、もう02年はつくらないかも
しれない」とつぶやいていたのを、ディスパーニュさんのもとで
仕事をしているTさんが読んでくれたそうなんです。
そして、こんなメールをくれました。引用します。


『(ジロラット02年は)、存在します!
つい先日リリースされたばかりで、既に日本のインポーターさん達
から注文をお受けしておりますので、間もなく日本にも上陸するかと思います。
どうぞお楽しみに』

うおっ!やったゼ!
なにがなんでも手に入れるぞ、メラメラ・・・。

そしてさらに、こんな情報も・・・。


『(ヴィンテージ2002はワインにふさわしいパッケージデザインを、ということで2001に比べ
更に凝ったものになっています。一本一本が個別特製パッケージに入っているんです。(6本入りケースのみ)
デザイン担当は変らず、ティボーの兄のガブリエルです。(※モン・ペラ
の作り手のお兄さんです)
ご参考までに写真を添付しておきますので、どうぞご覧下さい。』



どうです?なんかこの箱、ちょっと和風なイメージもあって、すごく綺麗ですよね。
こんな箱入りのワインを贈られたら、きっと嬉しいなあ。それになんか
とても美味しそう

「02年もある」とわかったので、安心してジロラット01年を飲めます。
てなことで、昨晩もまた1本、これをあけちゃいました。
この調子じゃ、02年が市場に出回るころには、全部なくなっちゃいそうだなあ・・・。

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神の雫(4) (モーニング KC)

神の雫(4) (モーニング KC)

神の雫(3) (モーニング KC)

神の雫(3) (モーニング KC)

83年オーゾンヌ&シュバルブランを利く!


いわずとしれたボルドー右岸サンテミリオンの偉大なる第一特別級(プルミエ・グラン・クリュ)
2大巨頭といって差し支えないでしょう。

なぜそんなとてつもないシロモノを水平ってな話になったのかは、ここでは書けません。
でも、ともかく飲みました!

↓これです。久々にエチケット剥がしてもらっちゃいました!

いや〜、素晴らしい。
まず83オーゾンヌ。開けてすぐに軽くグラスに注いだところ、まだ閉じた様子。
さっそくデキャンタージュ。
開きました! ほどなく開いたその香り、その果実味、その複雑さ、すべてが天国のよう。ミディアムボディの透明感のある赤い液体は、まるでブルゴーニュのように優しく、そしてたおやか。女性的なワインです。特徴的なイチジクのアロマは、その場にいた全員が感じ取ることができるほどはっきりとしていました。
そして、調子付いて83シュバルブラン
当然のように閉じていたので、即デキャンタに。
オーゾンヌよりは頑固で、なかなか開いてきません。でも30分でドカン。香りと果実味が爆弾のように襲ってきます。
素晴らしい。いや、本当に言葉に尽くせない魅力的なワインです。セクシーです。色っぽいです。アフターは永遠につづくようです。クリーミーです。ええ、まさにあのカベルネ・フランの生クリームっぽさが、ずいぶんと優しく柔らかくなったものの、奥にちゃんと控えていました。


このあたりのワインはいずれ『神の雫』でも登場するでしょうから、ここではあまりこったインプレッションは書かないでおきますが、いや〜……ほんと、幸せな一夜だったなぁ……。

神の雫(3) (モーニング KC)

神の雫(3) (モーニング KC)

神の雫(2) (モーニング KC)

神の雫(2) (モーニング KC)

神の雫(1) (モーニング KC)

神の雫(1) (モーニング KC)

アンリ・ペロ・ミノを利く


シトシト降る雨の音を聞いているとなぜかブルゴーニュ
を飲みたくなるものです。みなさんは、そういう気分って、ありませんか?

……てなことで、お天気の悪かったある日の夜更け、
セラーを開いてワインを物色していたら、アンリ・ペロミノ
モレ・サン・ドニ一級畑 ラ・リオットv.v.97年
「飲んでくれ」といわんばかりの顔をして横たわっている
じゃありませんか。んー、ヨシヨシ、うまそうです。


慢性品薄で人気のあるこのドメーヌ、実際にワインをつくっているのは
90年代前半からはアンリではなく、息子のクリストフだったと記憶しています。
世代交代ってやつです。

クリストフは手堅い作り手だったという父アンリのやり方を踏襲せず
独自の方法でワインづくりを行っています。
たとえば低温マセラシオン、徹底した低収穫量、
ノロジスト(醸造家)の登用
など……。


結局まあ、才能があったんでしょうね。「藍より青し」というやつで
父親の代よりも、この蔵はがぜん評価をあげたというわけです


代替わりを見事に果たした新生ペロ・ミノのワインは
しかし「10年待たないと飲めない」といわれるほど長命だそう。
97年というと、まだ8年ですが……でも、97年はそれほどグレイトな
年ではないから、きっと大丈夫。大丈夫でなくても、飲んじゃおう……。


かたぁーーーいコルクを抜いて、待つこと1時間半。
ラ・リオットはモレ・サンのちょうど中央部にある畑で、
モレ・サンらしい特徴を表現しているといわれますが、
97年という生産年のせいなのか、なぜかシャンベルタン的というよりは、
シャンボール的な第一印象です。
しっかりした酸味の奥に、ためらいがちな赤い果実の香り……。
そう、まだ熟れる前の、サクランボ、野生のベリーの味わい。
利いていると、ワインの奥へ奥へと入り込んでいきたくなるような
生き生きとしているけれど奥深い味わい──。


静かで深遠、それでいて躍動的な
そう、あたかもショパンピアノ曲を聴くような、
しっとりとした気分で……、秋の夜長に酔いました。
やや酸味が強かったのは、ビンテージの影響なのか、
やはり飲むのが早すぎたのか、どちらなのかちょっとわかりません。
でもあと5年待てば、より芳醇で、セクシーな味わいになる
ことは間違いないだろうと思います。

神の雫(3) (モーニング KC)

神の雫(3) (モーニング KC)

シャトー・トロロン・モンド 96年を利く


う〜ん、素晴らしい。オープンしてすぐに楽しめる分かりやすさ。
ジューシーな果実とうっとりするようなコク、そしてブラックチェリーやナツメグのアロマ、さらにはトーストのような香ばしさが、まとまって襲ってきます。

半分残して翌日も利きましたが、充分まだ楽しめる状態でした。
ここから10年は熟成するワインでしょう。
そう思うと、開けたのがもったいなく思えるなぁ。

実は昨日はとあるバーでピション・バロンの94も飲んだんですが、テイスティングしてデカンタかな、と思って頼んだのは失敗でした。すぐには開いて良かったんですが、1時間ちょっとでヘタレてしまった。いや〜、難しいなぁ。


神の雫(3) (モーニング KC)

神の雫(3) (モーニング KC)

「ジロラット 01」を利く


このワインとの最初の出会いは、去年の秋ごろだったと思います。
モン・ペラを造っているディスパーニュ家のワインだというので、
興味を持って買ってみたのです。ジロラットという名はかなり
マイナーで、01年がファースト・ビンテージだと聞きました。
「モン・ペラに近い味なのかしらん?」と思ってさっそく
ちょっと空けてみたら、かなり違うテイストでした。
非常に凝縮感、深みがあって
エキスのような濃厚なワイン。
しかし、濃厚でありながら、エレガントな滑らかさもあり……。
非常によくできた味わいで、7000円という値段も
高くないと感じたものです。



先日この欄で紹介したテスタ・マッタの製法もユニークですが
このジロラットも、かなり風変わりな方法で造られています。
まずブドウを直接、新樽の中に落としこんで、その樽を回しながら発酵・
マセラシオンを行なうんだそうです。アルコール発酵から瓶詰めまでは
全て同じ樽を使うのだとか。
それもビックリですが、もっと驚くのが収穫量。なんと1本の苗木から
収穫する葡萄を2〜3房までに絞り込むそうです


それって、まるでイタリアのクレージー・ワイン
ミアーニみたいじゃありませんか!!
ミアーニは3万円近くもする高級ワインだけど、
これは七千円……。その値段で、採算があうのか?
なんでも、ディスパーニュさんは「このワインはあまりにも
コストがかかりすぎるので、もしかしたら造らなくなっちゃう
かも」とおっしゃっているそう。
造らなくなっちゃうともう飲めないので、亜樹はそれから数本
このジロラットを買い置きしました


ということで、1年近くセラーに寝かせておいたジロラットを、ふとまた飲んで
みたくなり、この週末に空けてみたんです。

←黒いボトルに金文字はモン・ペラと同じ

衝撃的な味は変わらず。しかし、去年はちょっと果実のざくざくした
カンジがあったのですが、それらがうまく溶け合って、ぐっと
丸みが増して旨くなったように思えました。
いやー、いいですね。このワイン。


「もう造らないかも」というお言葉通り、2002年ビンテージはついぞ
みかけたことがありません。どこかで買った人はいますか?
いたら、教えてください。
亜樹も、ぜひこのワインの02年を買って利いてみたいです。
もし、もう造るのをやめていたら・・・。
ジロラットは文字通り、幻のワインとなってしまうんでしょうか。
そうならないことを、祈りたいですね。

神の雫(3) (モーニング KC)

神の雫(3) (モーニング KC)

バローロ ブリッコ・ロッケ・ブルナーテ・チェレットを利く。


う〜ん、相変わらずイタリアワインの名前はわかりにくいですね。
フランスのワインの名前は、耳慣れているせいかすっとアタマに
入りますが、イタ・ワインの名はどうも・・。
みなさん、どうですか?
イタリアワイン贔屓の方にとっては、どってことないですか?


さて、きょうのワインはそんなわけでイタリアです。
ピエモンテ州バローロ地方の2000年はグレイト・ビンテージ。
なかでもこのワインは、、あのパーカーさんが「ブラヴォー!」
と叫んで97点を献上したという逸品。でもお値段は七千円台
わりと手の届くレベルなんです。
ちなみに、ブリッコ・ロッケというのは醸造所の名前で、
ブルナーテというのは、繊細なワインを生み出す畑の名前、
でもってチェレットというのは、生産者の名前だそうです。
ふう……。


抜栓してすぐにテイスティングしたところ、どうもデキャンタなしで
いけそうです。香りはとても甘く柔らかく、非常に飲みやすい。
うーん……旨いですね!
濃厚なストレートパンチのイタリアワインではなく、優雅で
エレガントなワイン。
赤い果実、スミレ、幾種類かのフルーツ、そしてミントの香りもある。
まるでミンクの毛皮を撫でているかのような感覚、
うっとりするほど優しくなめらかな口当たり……。
値段を考えれば、パーカーさんでなくてもブラヴォーと叫びたくなります。


2000年が優良年だということもあるのでしょうが、よくできたワイン
だと思います。
チェレットさんのブルナーテ、酒蔵を探したらを98年も1本だけでてきました。
こんど2000年と飲み比べてみることにしましょう。
楽しみです!


神の雫(3) (モーニング KC)

神の雫(3) (モーニング KC)

ハイランド・リゾートでのワイン会報告


まず……おわび。
更新をさぼっていました、すいません!
毎日ワインを飲んでいたため忙しく……って、そういうわけではないのですが
いろいろありまして遅くなりました。ハイランド・リゾートの「神の雫ワイン
セッション」のご報告。


じつは、週刊モーニング本誌でもセッションのご報告を詳しくさせていただき
ますので、あまり細かいことはここでは書かないことにします。
といいますか、いろいろと楽しいことがありすぎて、ブログにすると
一週間連続でその話ばっかり書くことになりそうなんで……。

とりあえず、ワインセッションの「素晴らしかったエピソード」を3つだけ。


☆1 参加していただいた約60名のみなさんのテイスティング能力の
素晴らしさ。これには驚きました。イベントでは、日本ワイン6種類、神の雫に登場した
イタリア・フランスのワイン6種類をブラインドでテイスティングしました
が、なななんと、全問正解の方もでた上に、惜しくもひとつだけはずした〜
なんて方もぞろぞろと・・・。
いやあ、神の雫の愛読者は、どうやらみなさんかなりの「ワイン狂」のようです。ホント、脱帽いたしました。



☆2 「神の雫のワインを味わう特別デイナー」のレベルの高さ。いや〜〜その美味だったこと!
おまけに、だされたワインに見事にマリアージュしていること!

マンガのなかでも紹介した「シャブリと生牡蠣」のマリアージュも、
実際に試していただきました。ワインは2種類で、
00年「シャブリ・セリエ・ド・ラ・サブリエール」(ルイ・ジャド)と
03年「シャブリ・1er cru ヴァイヨン」(ヴェルジェ) 。
ちなみに、03年は猛暑の年で、硬質で辛口、ミネラリーなジャドのワイン
ですらも、いささか味に厚みと果実味が出てしまった年でした。
この厚み、果実味が、生牡蠣とはあわない。ホテルのシェフ&シニア
ソムリエ渡辺さんは、そういうことまでもしっかりと配慮して
ジャドのワインは03年を避けて、より生牡蠣とのマリアージュが楽しめる
00年産を用意してくれました。このきめ細かい配慮にも脱帽いたしました。



料理はすべてが美味でしたが、亜樹がもっとも感動したのは富士山麓
採れる黒トリュフつきのキノコのクリームスープ。
トリュフはいわずとしれた高級珍味。フランスのマツタケ、てな位置づけですか。
ブタに匂いを嗅がせて探させるというアレです。それが富士山麓で採れるなんて!
えもいわれぬ繊細な森の香りのトリュフのスープ、最高でした。

☆3 贅沢なワインが勢ぞろいした2次会!

二次会にも、たくさんの方に参加していただきました。
そしてこのブログで予告したとおり、亜樹&オキモトは
マイ・セラーから秘蔵のワインを持参して、
二次会にご参加のみなさんに振る舞い酒しました!

どうです?すごいワインたちが勢ぞろいです。
写真を観てください。ウオッ、ってカンジでしょ?

亜樹&オキモトで持参したのがギガルの「ランドンヌ95年」、
「シャトー・オー・ブリオン87年」、そしてG・ルーミエの「シャンボール
・ミュジニー・レザムルース94年」。ホテルが用意してくれたのは
なななんと、「82年 シャトー・ムートン」!
82ムートン、まだまだビンビンに元気で、書くまでもなく味わいは
富士山のように素晴らしく、遠峰よろしく「お……おおお……」
と、感動してしまいました。
(あ、このとき、参加者の方から、パックされたお手製のカモ料理を
ちょうだいしました。しっかりいただきました。おいしかった。ローヌとよくあいますね。ありがとうございました!)

まだまだたくさんお話はありますが、詳しくは週刊モーニングでね!
おやすみなさい。

神の雫(3) (モーニング KC)

神の雫(3) (モーニング KC)